文と文を丁寧につなぐ

ある文を、別の文につなげる際に、意図する関係性を実現するため、慎重に考える必要がある。様々なものが想定できるが、その中でも、特によく使うものがあるので、ここで理解しておこう。

「原因を表す文」と「結果を表す文」をつなぐ

説明という行為において、もっとも頻繁に、そして強力に用いられているもの。表現した文章が表す内容を、その内容につながる原因・心情・前提を表現しながら説明すること。かなり説得力が出る。

技法
ある文章の理由を表現したいときは、その文章の後に、ピリオドなしでbecause(S)(V)をつなげ、その(S)(V)にそれ入れる。その文章の後にピリオドを置く場合、新たに大文字始まりでThis is because(S)(V). という文を入れ、その(S)(V)に入れる。何にも挟まずに、新たな文を置くだけで、理由も入れることができるが、相当理由の臭いがしないと難しいので、上級者向け。

注意
ただ闇雲にbecauseなどでつなげておけばいいわけではない。理由として表現した文章と、その理由で説明しようと思った文章の間の関係性を、丁寧に判断しよう。基準は、理由として表現した文章を見たら、その理由で説明しようと思った文章を大体の大人が予測できそうであるということ。「眠いから、勉強に集中できない」を例に挙げると、「眠い」時、予想される現象がいくつかあるが、「勉強に集中できない」もそのうちに含まれることから、「成立している」と判断することができる。
厳密性に関しては、読み手が、あなたと同じ立場に立ったら、そう思うかも、くらいで。逆に、数学的論理とは違い、100%成り立つものじゃなくてもよい。読み手に完全に同調してもらう必要はない。


「ある文」と「その具体例を表す文」をつなぐ

文の展開上、抽象度をおとした形で説明をしないと、読み手が状況を想像できなさそうなときに用いる。時に、例がなくても読み手が容易に理解できそうなのに、具体例をわざわざ挙げているものがあるが、きちんとその例という形をとった内容が必要かどうか、考える。ゆえに、「分かりやすくするために書く」のような単純な発想はしない。

技法
ある文章を具体例で説明したいときは、その文章をピリオドでいったん終了し、次に、For example,やFor instance,を置き、その後に具体例をS Vで表現する。ある名詞レベルの表現を具体例で説明したいときは、その単語の後にsuch as Aやlike Aを入れ、そのAに具体例を名詞を入れて表現する。


「ある文」と「その文に対して出てきそうな反論とその反論をかわす文」をつなぐ

文章を書き進めている間に、ある文を提示したとき、読み手が、特に世の中でよく語られていることなどを用い反論しそうだなぁと予測できることがあるが、その反論をかわすときに用いる技術。その反論は、個人的な意見もあるが、世の中でよく語られていることに対して用いることが多い。あらかじめその一般的に考えられていそうな反論を話の流れに持ち込み、「それは間違っているよ」や、「それより重要なことがあるよ」のような形で反論をかわしながら否定する。いわゆる譲歩逆説というやつ。出題に対する直接的な答えに対するものもあれば、その理由や、それ以外の内容に対するものもある。

技法
確かに「じとじと暑い」、「それを忘れさせてくれるくらい美しい海があるのだ」のように、想定する反論の提示は、その文章の前に「確かに」を表わすTo be sure,やSurely,などを入れる。その反論に対する切り返しの提示を「が、」を表わすbutやhowever,などをそれぞれの用法に従い用いる。

注意
控えたいのが、説得力上げるためだけに譲歩逆接を利用しようとすること。読み手があなたの文章を読んでいる間、疑問点なく読み進んでいるのに、わざわざ、弱点はさらす必要はない。実際70語程度であれば、使用しなくて済む場合がほとんど。100語を超えてくると、長く書く分、弱点が出やすくなり、使用しなければならない時も出てくるだろうが、それでも必ずではない。個人的な目安としては150語を超えたあたりから、使う場合が出てくるのではないかと思っている。