A Guideline for Essay Writing

「自由英作文」という表現の中に「自由」とあるが、決して「自由」ではない。自由なのは「表現する内容」だけで、バラバラと思ったことを書くわけではない。大切なのは、出題者の要求に答え、説得力を持って説明しきっているということである。

必要な作業は、抽出配列調整の三つのステップ。


抽出

① 要求を掘り起こす
じっくりと出題を読みながら、要求を並べる。すべての要求に答えることにより、的確に答えているという評価につながるので、丁寧に抜き出す。

➁ 要求にできるだけ答える
出された要求に答る。ただ、語数制限なども含め、最後まで書ききらないと満たせたかどうかわからない要求もあるので、最後に必ず確認を。

➂ 読み手の疑問を積極的に掘り起こして答える
要求に答えている中で、いくつか表現する内容に対して、読み手が疑問に感じそうな部分を想像し、先回りして、その答えを表現すべき内容に追加する。上手に実現すると説得力が上がる。これを進めていくと、自然と指定された語数になる。逆に、語数が「稼げない」と思う場合は、なにかが足りていない場合がほとんど。


配列

抽出のプロセスを経て、紡ぎ出した内容を並べる。全体としての流れを考えるマクロ的な観点と、一文一文のつながりを考えるミクロ的な観点をバランスよく使いこなすことが必要。大きな視点と細かな視点を行ったり来たりしながら、最終的な配列を決めていく。

マクロ的な視点を用い、作品全体でどういった流れにするのか、を考える際には、普通こういった話ならばどういう順番でするものなのかを意識し、自分で考えるのを基本とする。材料は、抽出された内容を基本とし、お話として流れがスムーズでないと感じたときには、新たに内容を付け加えてもよい。「自分で考える」とくると、不安が募るかもしれないが、実際は、練習の積み上げにより、経験的に、典型的な順番を覚えていくもの。ご安心を。

また、大きな流れを決める際に、抽出された内容の中でも、利用されずに残っているものを、ミクロ的な視点を用い、無理なく付け足していかなければならない。そういった場合、付け足す文と付け足される文の接続を慎重に行うが、その時には、その二つの文がどういった関係になっているのかを、丁寧に見極めることが大切。


調整

一度作った全体を俯瞰し、違和感のある部分を直したり、きちんと出題に答えられたかの最終確認をする。

滑らかにする
内容を抽出したときに全体像が見えにくかったり、英文にするときに表現しやすいものを選択したなどのせいで、配列すると、読み手に誤解させる可能性がある部分が生じることがある。出来上がった全体を眺め、その誤解させそうな部分を察知し、直していく。

整える
最終的に出題に答えたかを確認する。「自分の考えを述べなさい」などの要求を、最終的に実現できているかの確認をしたり、語数の調節に取り組む。