形式的には、自由英作文全体(パラグラフひと固まり)をBODYとし、そのはじめ(の方)にINTRODUCTION(導入)を置き、最後にオプションで、CLOSURE(結び)を作ると考える。
INTRODUCTION
読み手を引き込み、あなたの作品に入りやすくするのが役割。読み手が知っていそうな情報から一歩付け加えられたことや、読み手が通常知っているが常には意識していなさそうなことを表現する。いうなれば、読み手の意識から一歩進んだものを探し出す。材料は、「読み手の疑問を積極的に掘り起こし答える」までに引っ張り出してきた内容でもいいし、それ以外から、新たに作ったものでもよい。
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CLOSURE
それまで、BODYで述べてきたことから、一歩進んで言えることを表現する。「説得力を上げる」までで引っ張り出してきた内容は、BODYを構成するのに使用しているはずなので、材料は、新たに作ることになる。
具体的には、直前までで表現した全体からいえること、例えば展望や、反省、教訓などを付け加える。多少難しい表現などを含めた、派手で、格好つけた英語を使うと、効き目抜群。この場合、結論は、それまでに述べられた内容の中に表現されているはずなので、CLOSUREの先頭に、Therefore,やIn conclusion,は不要。付け加えるという性質上、語数制限がきつくなればなくてもよい。
基本的には、問題文を見て答え全体を想像したときに、それそのたぐいの内容を表現する際には、「通常こうやって表されている」「自分の経験ではこうやって表されていたのを見てきた」「自分ならこの順番で表すのが普通」などの考慮を経て、どう表現するかを現場で判断する。
とはいえ、代表的な展開がないわけではない。次のページから説明をするが、あくまでも、可能な展開法の一部であるということを心しておくように。
1. 意見表明
ある出題に関して、どう思うかを答えるタイプ。意見を言うのはそれほど難しくないが、そのあとにきちんと、なぜそう思うのかを書くところが腕の見せどころ。あなたが個人的に思っている理由ではなく、ほかの大多数の人が納得する理由を書くことが意外と難しい。その理由だけでは理解できない人のために、その後の部分に説明を加えていくなどして攻める。
2. お手紙
誰かに対して送る設定。だいたいが条件を満たしながら書かせるものになっている。
例題
次の場面を想定して、書き出しに続けて英文の手紙を作成しなさい。
昨年アメリカにホームステイしていた高校生のMasamiは、向こうでお世話になったSmith夫妻の息子Jackが日本にやってくると聞いて、Jackに手紙を出そうと思っています。特に下記の項目のうち少なくとも2つを含めて、100語程度で書きなさい。
・紹介したい人について
・案内したい場所について
・食べてもらいたいものについて
構成
まずは、Dear ××(相手の名前),。親しい場合はHi, ××。改行後は、受け取った手紙に対する返事の手紙ならば、手紙を受け取ってうれしかった旨を伝え、そのあと、返事を書く。自分から出す手紙ならば、だいたいは近況報告として、最近機嫌よくやっていることから入り、そのあと本題をかく。最後にSincerely yours, ○○(自分の名前)。親しい場合はTake care, ○○。実際は、始まりと締めだけ決めれば、そんなに形式らしい形式はなく、あとは友達から手紙が来たらどういうふうに返すのか、自分のおじいちゃんに手紙を出したかったらどういうふうに出したいのかを考えて書くと、自然になる。
3. 個人体験
あるお題に対して、自分の体験を語っていくタイプ。ただの事実の羅列にとどまらず、自分の感情をいかに織り交ぜていくのかがポイント。もちろん共感の持てる感情ならば、そのままでいいが、他の人が抱かなそうな感情であれば、説明を加えていく。
4. 情景描写
ある情景を説明するパターン。写真の場面からストーリーを読み込み、この写真に写ってないことも含め、物語を紡ぎだす。
例題
下の写真で描かれているものを英語で、描写せよ。
構成
例えば、普段スマホで撮った写真を人に説明するときにどうしているだろうか?バラバラに見える部分を、ただ羅列することはないだろう。まず写真に写っている場面がそもそもどういう場面なのかを語り、それからこの場面の具体に入る場合もあるし、それ以外にも様々な構成があるはずだ。出題にある写真、絵は、当然初めて見るもの。どういう場面なのか、思いっきり想像力を働かせ、場面設定を行う。そこに登場する重要な人物、アイテムを中心に語り、関係のないものは、ばっさばっさ切り落としていく。右の絵ならば、面積的に「窓」はかなり大きい地位を占めているが、ほぼ触れることはないであろう。