1. パラグラフの構成
内容的な全体をBODYと、そのあとに付け加える部分をCLOSURE(結び)と、また、BODYのはじめにある数文からなるカタマリを NTRODUCTION(導入)と呼ぶ。
まずパラグラフには、INDENT(はじめのへこみ)をつけ、箇条書きにはしない。ルーズリーフに書く場合、1行おき書き、コメントを書きやすくしておく。入試の答案ではひとパラグラフ構成が主。パラグラフ分けの技術は、ひとパラグラフの構成法を十分に学んだうえで、取り組むとよい。分け方に関しては、パラグラフ分けの技法にて。
① BODY
パラグラフの核となる部分。主張や結論などを含めた「出題に対して答えるべきこと」は全部ここで述べておくことになる。
② INTRODUCTION
BODYの初めに配置され、読み手を引き込み、作品(そのパラグラフの内容)に入りやすくする役割。内容的には、あえて言うと、「読み手の意識から一歩進んだもの」。より具体的に言うと、読み手が通常知ってそうだが常には意識していなさそうなことや、読み手が知っていそうな情報からもう一歩進んで付け加えられそうなこと。材料は、抽出の③「読み手の疑問を積極的に掘り起こし答える」までに引っ張り出してきた内容でもいいし、それ以外から、新たに作ったものでもよい。☛ 例
③ CLOSURE
出題に対して言わなければならないことは、すべてBODYで消費をしているはず。なので、CLOSUREで表す内容は新たに作ることになる。付け加えるという性質上、語数制限がきつくなればなくてもよい。
それまでにBODYで述べたことから言える「展望」「反省」「教訓」「新たな視点」「再解釈」「予測」「提案」「まとめ」などを含めて「BODYから一歩進んでいえること」。この締めくくり部分で、新たな視点や深い余韻を残すようなまとめ方、格好つけすぎくらいのキレのいい一言、多少難しい表現などを用いると、読者に強い印象を与えられ、効き目抜群。ちなみに、僕の尊敬している先輩は「パンチライン」と呼んでいました。☛ 注意
2. お話を作る
一つのパラグラフがあった場合、特にINTRODUCTIONとCLOSUREの役割を気にしながら、抽出の③「読み手の疑問を積極的に掘り起こし答える」までに引っ張り出してきた内容を全部使ったストーリーを作っていく。
基本的には、問題文を見て答え全体を想像したときに、それと似た内容をストーリーに仕立ててる際には、「通常こうやって表されている」「自分の経験ではこうやって表されていたのを見てきた」「自分ならこの順番で表すのが普通」などの考慮を経て、どう表現するかを現場で判断する。
ご想像の通り、お話の内容により、さまざまな典型的な型があることにはあります(p.24からの付録3 お話の型の例を参照)。もちろんここで挙げているのはあくまでも典型なので、ここから逸脱しても構わないし、ぜひ典型ではない型にもチャレンジしてみるのがおすすめ。とはいえ、まず出発点として、典型的な型を学んでも、損なことはないので載せておく。あくまでも、型の一つであり、これを踏襲しなければならないという意味ではないのをお忘れずに。
例えば
説明の中には、「主張の後に理由を書く」のを、鉄則であるかのように紹介しているものもある。日常目にする文章のほとんどがそうなっているわけではないところから、疑問に思ったことのある人もいたでしょう。実際に、それでは対処できない出題もあります。例えば、「もったいない」の意味を外国人に説明するというある課題について考えてみます。その説明を求められたとき、(主張としての)その単語の定義を述べた後で、その定義になった「理由」を置くのは、少なくとも試験の現場では不可能。もし正確に答えようと思うのならば、ある表現の説明は、常識的にどうするか、一般的にどうしているのかを考え、「そういえば、英語の〇〇先生は、定義の後、具体例を挙げていたなー」などと回想、発想していくと、自ら何をかくべきか、気づきやすくなるでしょう。
3. 文と文をつなぐ
ある文を、別の文につなげる際に、意図する関係性を実現するため、慎重に考える必要がある。
まず、つなげられる内容の大きさについて。一番小さい単位は、文章ひとつ分だが、複数集まってひとカタマリとなって、それが一つの単位となる場合もある。
次に、つなぎ方。ある文章(or文章のカタマリ)同士をつなげるとき、表面上(文法的には)さまざまなつなぎ方がある。それぞれの用法に気を使いながら、丁寧なつなぎを心がけよう。具体的には文と文をつなぐ(形式)にて。
また、文と文が自然につながっているという判断は、精密に言語化できるものでもない。が、いくつかのパターンに分けることは可能だ。自由英作文作成において、使用できそうな16のパターンを挙げてみた。 文と文をつなぐ(意味)を参照。これ以外のつなぎ方も将来的には出てくると思うが、よく使うものとして、理解だけはしておこう。